top of page
検索
清野 東至

私にとっての患者会

私は患者会を立ち上げ実感したことがある。人間一人が思っていることは、そこには声に は出さないが何人かの同じ思いを持っている人のいることを。


私は脊髄小脳変性症と診断されてから、飢えていた。 同じ病気の人と話してみたい、病気について喋ってみたい。だが、まわりに脊髄小脳変性 症や多系統萎縮症の知り合いはいなかった。

そこで県内に患者会がないか探した。宮城県内にもないか探してみた。東北では青森県に しか患者会が存在しなかった。 潜在的には、患者会ができれば入会したい人はいるはずである。私が患者会を望んでい るとすれば、他にも患者会を必要としている人がいるはずだと思った。私一人しか患者会 をのぞんでいるなんてことはない。 そこで、私は患者会を作りたいと思ったわけであるが、何しろ初めてのことでもある。 どうやって設立すればよいかわからないし、どうやって会員を集めればよいのかもわから ない。どうにか、手探りでここまできたという実感がある。


これからの患者会も今までと同じく、患者同士の交流の場でありたい。生活のための知 恵の情報交換の場でありたい。同じ経験を話せる仲間でありたい。 そして何より、治療法のない難病に立ち向かう同志でありたい。 我々は医学者でないので希望は与えられない。だが、集まって話をすれば、少しぐらい は心が軽くなり、暗いトンネルの向こうにかすかな光のようなのもが見えるのではあるまいか。

閲覧数:212回1件のコメント

最新記事

すべて表示

誕生日に負った痛手

私は誕生日の当日に転倒して右足首を骨折した。その結果、一月と少しの間入院したのであるが、その入院の時のことと、退院後のことについて書いてみたい。 右足首を骨折し一週間後に手術して、それから約一月、病院での車椅子での生活である。トイレとリハビリの時間以外はベッドの上の生活であ...

始まり

私が最初に神経内科の門をたたいたのは38歳の時である。それまでは、症状を同僚に隠し、自分自身にさえ嘘でごまかしてきたが、同僚はともかく、自分自身に対して嘘を付きとおせなくなってきたからである。 原因はわかっていた。脊髄小脳変性症(SCD)、母親からの遺伝である。...

1 Comment


佐藤由紀
佐藤由紀
Jun 01, 2020

酒田市飛鳥の佐藤由紀の夫です。いつも有益な情報をお知らせ下さりありがとうございます。第1回友の回に参加してからだいぶ経ち、ご無沙汰しております。先日戴いた治験の資料を読み、順調に進んでいるようで、嬉しくなりました。子も発症していますので、待ち遠しい限りです。清野さん、テレビに出演されていましたね。大いに励みになりました。


Like
bottom of page